南シナ海、平和的解決を…日・シンガポール首脳

【シンガポール＝大木聖馬】安倍首相は３１日午前（日本時間同）、シンガポールの首相官邸でリー・シェンロン首相と会談した。

　両首相は、軍事力を背景とした中国の海洋進出で情勢が緊迫化する南シナ海について意見交換し、国際法に基づく紛争の平和的解決の重要性を確認した。

　安倍首相は、集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈の見直しについて説明し、アジア太平洋地域や世界の平和と安定に積極的に関与していく方針を伝えた。リー首相は、２０１１年の東京電力福島第一原子力発電所の事故後、福島県産の野菜や果物などを対象に課していた輸入制限を全面解除する方針を表明した。

　会談後の共同記者発表で安倍首相は「２国間で防衛当局間の協力のさらなる進展を確認した」と述べた。リー首相は「地域の平和と安全保障のために日本がより積極的な貢献をすることを歓迎する」と応じた。